解析学概論(1)

前期 - 月曜 - 2限 - 2024年4月7日15:47

2023年度に実施された内容について述べる。
授業内容は、
・バナッハ空間やヒルベルト空間などの関数空間について
・有界線形作用素について
・フレドホルムの交代定理について
・自己共役作用素のスペクトルについて
が主な内容である。
公式のシラバス上ではルベーグ積分の知識を仮定しているとあるが、単位をとる必要がない(つまり課題を解く必要がない)ならば前提知識がなくとも関数解析の抽象理論を講義を通じて学べると思われる。
成績評価は授業期間中に出題される3回分のレポートによって行われた。
このレポートはルベーグ積分に多少慣れていることを前提に、講義ノートおよび関数解析の教科書を参照すること、インターネット上で(特に英語で)検索すること、自分で丁寧に計算すること、を行えば成績で秀を取れるほどの評価は確実に得られるものである。
特筆すべきこととして、通常、関数解析の講義は学部3~4年生程度を対象として行われる。
この講義はなぜか修士の学生を主な対象に開講されているが、内容としては普通の学部3~4年に行われるべきものと同じものであるので、数理科学科の学部生諸君は臆さずに履修または聴講してほしい。
特に、解析学に関連する研究室に進学したい場合は、学部生の時期にこの講義で学べる程度の関数解析を学んでおくとその後の学習・研究が円滑に実施できる。

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