授業方針・テーマ |
「フッサールの自我論」 20世紀ドイツの哲学者E.フッサールは「現象学的還元」という手続きの後に残る超越論的主観性を起点に諸学の基礎付けを試みました。本授業では晩年の主著『デカルト的省察』の前半部を精読することを通じて、フッサールの自我論の哲学史的な背景と意義を考察します。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
1)必要な資料を用いて難解なドイツ語の哲学書の内容を正確に理解できるようになること。 2)フッサールの自我論の哲学史的な背景と意義を説明できること。 |
授業計画・内容 授業方法 |
『デカルト的省察』の「第一省察」と「第二省察」の前半をドイツ語原典で読み進めていく。具体的な内容は以下の通りである。
第1回 ガイダンスとイントロダクション 第2回~第3回 『デカルト的省察』第3節「学問のデカルト的転覆と学問の基礎づけを導く目的理念」 第4回~第5回 『デカルト的省察』第4節「ノエマ的現象としての学問に入りこむことで、学問の目的意味を開示すること」 第6回~第9回 『デカルト的省察』第5節「明証と真の学問の理念」 第10回~第11回 『デカルト的省察』第6節「明証の分類。必当然的でそれ自体第一の明証の哲学の要求」 第12回~第13回 『デカルト的省察』第7節「世界の現実存在に対する明証は必当然的ではない。この明証はデカルト的転覆の中に投げ込まれること」 第14~第16回 『デカルト的省察』第8節「超越論的主観性としての「我思う」」 第17回~18回 『デカルト的省察』第9節「「我あり」の必当然性の有効範囲」 第19回 『デカルト的省察』第10節「付論 デカルトの超越論的転換の失敗」 第20回~第21回 『デカルト的省察』第11節「心理学的な自我と超越論的自我、世界の超越性」 第22回~第23回 『デカルト的省察』第12節「認識の超越論的基礎づけという理念」 第24回~第26回 『デカルト的省察』第13節「超越論的認識の有効範囲の問題をさしあたり遮断する必然性」 第27回~第29回 『デカルト的省察』第14節「意識の流れ、意識作用と意識対象」 第30回 1年間のまとめ
(授業方法) 全員でテキストを輪読し、可能な限り正確な解釈を目指す。当番の学生にはドイツ語のテキストを音読してもらった上で、テキストを日本語に訳してもらう。さらに、担当教員がテキストの内容を解説した上で、その内容について参加者全員で議論する。毎回1頁強程度読み進めるのが理想である。上記の予定は理想的な速度で進んだ場合のものであり、議論の状況や参加者のドイツ語の習熟度に応じてテキストを読解する速度を変更する可能性がある。また、時間が許せば、テキストに関連する二次文献の検討も同時に行いたい。 |
授業外学習 |
授業前に毎回指定したドイツ語テキストを和訳し、その内容を確認しておくこと。意味がわからない専門用語は参考文献を用いて調べておくこと。当番でない学生にもテキストの解釈や意見を聞くので、全員必ず予習しておくこと。 |
テキスト・参考書等 |
(テキスト) 1)Edmund Husserl, Cartesianische Meditationen und Pariser Vorträge, Martius Nijhoff, 1950 2)Edmund Husserl, Cartesianische Meditationen, Felix Meiner Verlag, 2012 上記二つの版を併用して授業を進めます。授業で読む箇所はコピーを配布します。ただし、フッサールを本格的に研究したい方は2)の廉価版を購入することを勧めます。
(参考文献) A. D. Smith, Routledge Philosophy GuideBook to Husserl and the Cartesian Meditations, Routledge, 2003. 田口茂『現象学という思考』筑摩書房、2014。 テキストの翻訳やその他の参考書などは授業中に適宜紹介します。 |
成績評価方法 |
平常点100%:当番の際の訳読の出来や授業での議論の貢献度などに応じて総合的に評価する。また、学部生、博士前期課程、博士後期課程、それぞれの基準に応じて成績を評価する。 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
毎回の授業後に受けつけます。その他の時間に質問・相談がある場合はメールでアポイントメントを取ってください。 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
特になし |
備考 |
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