授業方針・テーマ |
Lutwig WittgensteinのÜber Gewißheit(On Certainty/『確実性の問題』)の講読 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
・最晩年のウィトゲンシュタイン哲学の理解 ・哲学的懐疑論についての理解 ・哲学的テキストの精読 |
授業計画・内容 授業方法 |
ウィトゲンシュタインの最晩年の遺稿をまとめた『確実性の問題』を最初から読んでいきます。 G. ムーアは外界の存在を疑う懐疑論者に対して、「ここにひとつの手があることを私は確実に知っている」ということをもって、「常識の擁護」をしました。ムーアは「私が確実に知っている」こととして他に「私の身体がいま存在すること」「私が生まれる前から地球があったこと」などを挙げています。 こうしたムーアの見解に対して、『確実性の問題』のウィトゲンシュタインは「私が確実に知ることができるような真理の実例としてこうした命題を述べてみると、途端にいかがわしい感じになってしまう」(423節)とコメントし、「言語ゲーム」という観点からそうした「いかがわしい感じ」の由来を検討しています。そして、そうした検討の中で、「信じること」と「知ること」との間にある複雑な関係が明らかにされてゆきます。 また、特にウィトゲンシュタイン哲学や言語ゲーム論に興味がない向きにも、哲学的懐疑論に関心のある方であれば、「世界5分前創造仮説」(ラッセル)や「水槽の中の脳」(パトナム)に類似した懐疑論的な主張が問題とされるので、興味深く読めるテキストだと思います。 このテキストでのウィトゲンシュタインの目的は「「知る」という言葉の魔術」(435節)からわれわれを解放することにあるので、どの程度それが成功しているかを皆さんと一緒に考えたいと思います。
1回:イントロダクション(言語ゲーム論を中心とした後期ウィトゲンシュタインについての基礎知識) 2回:イントロダクション(「常識の擁護」「外部世界の証明」におけるムーアの見解) 3回:『確実性の問題』の講読(1~50) 4回:講読(51~100) 5回:講読(101~150) 6回:講読(151~200) 7回:講読(201~250) 8回:講読(251~300) 9回:講読(301~350) 10回:講読(351~400) 11回:講読(401~450) 12回:講読(451~500) 13回:講読(501~550) 14回:講読(551~600) 15回:講読(601~678) |
授業外学習 |
次回の授業の範囲の事前学習 担当回の翻訳と解説 |
テキスト・参考書等 |
初回に必要なテキストを配布しますので、特に事前に準備するものはありません。 ウィトゲンシュタイン哲学の全体像をあらかじめ押さえておきたい人には、飯田隆著『ウィトゲンシュタイン(現代思想の冒険者たちSelect)』(講談社)をお勧めします。 |
成績評価方法 |
・担当回の翻訳と解説。講読の際に、毎回担当を決めて、翻訳と簡単な解説をしてもらいます。やり方は私が講読の最初(第3回)に担当して示します。 ・最終レポート(講義の中で特に自分が関心をもったテーマについて2000字程度論じる。授業最終日に 提出) |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
授業の前後30分程度 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
ドイツ語でテキストを読んでいきますが、英語での参加でもかまいません。また、翻訳(ウィトゲンシュタイン全集9の黒田亘訳)もありますので、語学に関するハードルは低いと思います。何が書いてあるのかということより、どのような眼目でウィトゲンシュタインがそうしたことを言っているのかがとにかくわかりにくいテキストなので、その辺を皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。 |
備考 |
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