| 授業方針・テーマ |
・本授業では20世紀初頭から中頃までのドイツにおける現象学の伝統の思想展開を概観します。具体的には、エトムント・フッサール(1859-1938)、マルティン・ハイデガー(1889-1976)、オイゲン・フィンク(1905-1975)を主要な参照項とし、それぞれの現象学的な超越論的哲学の展開をその「方法」および「形而上学史における位置づけ」という観点から考察します。
・このことから、本授業は、現象学的「方法」の実際のやり方の理解・習得、および、現象学的な哲学が「形而上学史においてしめる位置づけ」の基礎的理解という二つの到達目標を設定します。いわば、上記3名の哲学者を参照することで、現象学の実際の様々な「やり方」を学んだうえで、彼らの現象学的な哲学が持つ特徴や基本的主張、また、どのような哲学的成果をもたらしたのかを伝統的な「形而上学」との対比から明らかにすることが本授業の基本的な問題意識です。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
1)現象学の伝統における現象学的・記述的な分析の方法の展開について理解し、その基本的なやり方・手法を習得する。 2)現象学の伝統の展開における伝統的な形而上学構想の批判とその改革について理解する。 3)上記2点および関連する事柄・諸問題について説明し、批判的に検討することができるようになる。 |
授業計画・内容 授業方法 |
1.イントロダクション—評価方法等の確認、本授業全体の問題設定と目的の説明・共有 2.フッサールの現象学的方法①-「本質直観」:その方法を実践する 3.フッサールの現象学的方法②-「超越論的手引き」と「構成分析」:意識体験がもつ本質法則を実際に摘出する 4.フッサール現象学の形而上学史的位置づけ①―理論哲学の観点からみた超越論的現象学 5.フッサール現象学の形而上学史的位置づけ②―実践哲学の観点からみた超越論的現象学 6.ハイデガーは現象学者か?-存在の問い:現象学の伝統の展開について 7.ハイデガーの現象学的方法①―現存在の分析を実践する(『存在と時間』とその周辺) 8.ハイデガーの現象学的方法②―芸術作品や物を実際に記述する(『芸術作品の根源』、『物』講演) 9.ハイデガーの形而上学史的位置づけ①―形而上学の改革(1930年代前半まで) 10.ハイデガーの形而上学史的位置づけ②―形而上学の克服?(1930年代中盤以降) 11.フィンクとは誰か?―「世界」の問いを通じたフッサールとハイデガー統合の試み 12.フィンクの現象学的方法①―世界への「のめり込み・沈下Versunkenheit」:その現象学的分析を実践する 13.フィンクの現象学的方法②―現象学と思弁:遊びの現象学的分析を実践する 14.フィンクの形而上学史的位置づけ―根本現象の現象学的分析と「超越論的/超越概念の哲学(Transzendentalien-Philosophie)」の展開 15.近年における現象学的形而上学の展開および全体のまとめ―フランス現象学の神学的展開、テンゲィの現象学的形而上学の構想、全体のまとめ
授業時、講義を聴き、質問やコメントをおこなう。授業の何回かに一度、リアクション・ペーパーに理解・習得を確認する。簡単な授業内課題に回答し、また、授業に対する質問やコメント等を記し提出する。また、小レポート課題の作成・提出をおこなう。 |
| 授業外学習 |
授業内で指示する参考資料等を読み、予め質問やコメントをまとめておく。 |
| テキスト・参考書等 |
テキスト:特定のテキストや教科書の購入は求めません。 参考書:武内大『現象学と形而上学』、知泉書館、2011年、フッサール『デカルト的省察』岩波文庫、2001年、フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』中公文庫、1995年、ハイデガー『存在と時間』中公クラシックス2003年、ハイデガー『芸術作品の根源』平凡社ライブラリー2008年、『技術とは何だろうか』講談社学術文庫、2019年、フィンク『遊び―世界の象徴として』せりか書房、1985年、フィンク『人間存在の根本現象』晢書房、1982年。その他の参考書等については授業時に紹介します。 |
| 成績評価方法 |
リアクション・ペーパー80%、小レポート課題20%で評価します。詳細は、初回授業時に説明します。 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
リアクション・ペーパーへの記入、また、授業後およびkibakoにて質問等を受け付けます。
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特記事項 (他の授業科目との関連性) |
特になし。 |
| 備考 |
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