授業方針・テーマ |
《心と身体の問題》 この授業では現代思想という観点から心と身体をめぐる問題を解説する。人間本性を考えるとき、心の基本設計をめぐる問いが提起されるが、われわれの心には何がどのくらい生得的に与えられているのだろうか。経験主義では、生まれたばかりの赤ん坊の心はまったく文字が書き込まれていない白紙のようなものと考える。他方、生得説では生まれたばかりの人間の心は、石理のある大理石のようなものである。大理石にはもともと石理があるので、職人はそれを見つけ出すことから仕事を始める。さらに、そこでは身体はどのように関わっているのだろうか。授業は講義形式で行う。
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習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
現代思想と「心」の問題やその思想的な背景を学ぶことによって、「心」と身体の問題、自然科学と実存の哲学の問題、「心」とテクノロジーの関係について深く理解できるようにする。このテーマに関わる必要な情報を収集し、分析・活用できるようにする。 |
授業計画・内容 授業方法 |
第1回 イントロダクション 第2回~3回 「心」はどこまで説明可能か 第4回~5回 自然主義の問題圏 第6回 道徳と「心」の関係 第7回 言語と「心」の問題 第8回 言語と理性 第9回 意識の謎 第10回 物語的虚構としての自己 第11回 脳科学・人工知能と心の哲学 第12回~14回 ダニエル・デネットとマルクス・ガブリエル 第15回 まとめ
【授業方法】授業はレジュメに基づいた講義をおこなう。疑問点や難易度の高い箇所については随時質問を受けつける。毎回リアクション・ペーパーを活用し、受講者の質問やコメントは次回の授業に反映させる。
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授業外学習 |
授業で配布されるプリントだけでなく、紹介される文献も読んで、毎回の授業の予習・復習をしてくること。 |
テキスト・参考書等 |
テキスト:レジュメを配布する。 参考書: 教場で紹介する。
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成績評価方法 |
授業態度やレビューシートなどの平常点(40%)と授業で学んだ知識にもとづくレポート(60%)の合計で評価する。平常点が低い場合、レポートで一定の評価を得ていない場合は不可とする。
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質問受付方法 (オフィスアワー等) |
オフィスアワーについては授業の前後に可能。事前にメール(furunaga-shinichi@tmu.ac.jp)で連絡すること。 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
第一回目の授業で授業内容を説明するので、受講者は必ず参加すること。
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備考 |
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