授業方針・テーマ |
《サウンドからみる西洋近代音楽》 19世紀末の「印象派」以降の西洋近代音楽のあゆみは、あらたな音色の獲得・拡大のプロセスとして把握することが可能であろう。その過程は、音楽を聴く経験およびそれにまつわる想像力の変容のあゆみとしても理解しうる。この講義では、音色すなわち「サウンド」を切り口として、主に19世紀末から20世紀までの西洋近代(そして現代)音楽史をたどりながら、「音楽を聴く」という経験の近代的変容がいかなるものであったのかを、文化的・社会的状況を視野に入れながら検討する。
|
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
西洋近代音楽の歴史を、現在の視点から理解するための知識と教養を身につける。また、音楽作品を特定の「作者」の産物と理解する考え方から離れて、社会的・文化的なコンテクストのなかにおいて把握する能力を涵養する。 |
授業計画・内容 授業方法 |
第1回:イントロダクション 第2回〜第3回:世紀末の音色――ドビュッシーと印象派の想像力 第4回〜第5回:ノイズの審美化/神秘化――ルイジ・ルッソロ、アルテュール・オネゲル、エドガー・ヴァレーズ 第6回〜第7回:声の越境、上演する身体――メレディス・モンク、ローリー・アンダーソン 第8回〜第9回:サウンドと空間――カールハインツ・シュトックハウゼン、ピエール・ブーレーズ、ルイジ・ノーノ 第10回〜第12回:知覚の想像/創造性――トーン・クラスター、ミニマル・ミュージック 第13回〜第14回:人間-機械の諸相――コンロン・ナンカロウからフォルマント兄弟まで 第15回:まとめ
【授業方法】 講義形式。検討対象となる音楽作品の鑑賞も適宜おこなう。コメントカードに書かれた受講者の見解や感想も講義内容に反映されるので、しっかり記述してもらいたい。
|
授業外学習 |
あらたに学習した諸概念の意味を明確に把握したうえで、次回授業に臨むこと。 |
テキスト・参考書等 |
テキストは指定しない。プリントを適宜配布する。参考文献として、松平頼暁『現代音楽のパサージューー20.5世紀の音楽』青土社、1995年を挙げておく。そのほか、受講者の参考に供する文献については、kibacoを通じて配布する。 |
成績評価方法 |
平常点50%、中間レポート+期末レポート50%。 なお平常点は、コメントカードの提出状況および記述内容によって評価する。中間レポートを提出しない者には期末レポートの提出を認めない。 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
オフィスアワーは設定しない。直接質問したい場合は随時受け付けるので、事前にメールでアポイントメントをとること。メールアドレスは教室で伝える。 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
|
備考 |
|