授業方針・テーマ |
科学哲学分野の入門的内容を扱う。科学哲学の問いは多岐にわたる。一方では、「科学と非科学の違いは何か?」といった科学一般に関する問いがあり、他方では、量子力学や進化論といった個別科学の基礎に関する問いもある。これらの問いについて先人の考えを学び、その正否を議論することを通して、科学とは、ときに間違えることはあるが、最も信頼できる知の形態であるという、バランスのとれた理解を形成することを目指す。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
●科学について俯瞰的に考え、それが持つ長所(最も信頼できる知の形態であること)、そしてその一方でそれがもつ限界を理解し、説明できるようになる。(幅広い教養としての知識・理解) ●講義では、様々な立場や考え方だけでなく、それへの反論もあわせて紹介する。それらに対し、自分なりの解答を、ときに能動的に情報収集しつつ、構成することが求められる。(情報活用能力・総合的問題思考力) ●日常生活において恩恵をこうむっている科学技術について、そして科学と人間との関係について、主体的に考える姿勢をもつ。(能動的学習姿勢)
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授業計画・内容 授業方法 |
第1回 ガイダンス~科学と哲学の関係 第2回 科学における推論と方法1~演繹的推論とその形式化 第3回 科学における推論と方法2~帰納的推論、仮説演繹法 第4回 帰納的推論の正当化の問題1~ヒュームの悲観的結論とポパーの反証主義 第5回 帰納的推論の正当化の問題2~ベイズ主義 第6回 ベイズ主義による、統計的仮説の確証と反証 第7回 科学と疑似科学の線引きは可能か?必要か? 第8回 反事事実的条件法と因果 第9回 ゼノンのパラドクス 第10回 決定実験は存在するか~デュエム=クワインのテーゼをめぐって 第11回 科学の変化と科学革命 第12回 科学的実在論と反実在論的立場 第13回 アインシュタインと量子力学 第14回 進化論と倫理 第15回 総括
<授業方法> 講義を中心とした授業を行うが、授業最後で、授業で紹介した立場やそれへの反論に対し、どのように考えるか、リアクションペーパーを提出してもらう。 |
授業外学習 |
受講前に、講義資料を読み、疑問点をはっきりさせておくこと。受講後、下記参考書から1冊、講義内容の該当箇所を読み、理解を深めること。
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テキスト・参考書等 |
テキスト:毎回、講義資料を配布します。
各回の内容を理解するための参考図書: 内井惣七著『科学哲学入門』(世界思想社、1995)[1, 4~6, 11, 12回の内容] サミール・オカーシャ著『科学哲学』(岩波書店、2002年)[2~4, 11, 12回の内容] 戸田山和久著『科学哲学の冒険』(NHKブックス、2005年)[3, 4, 12回の内容の入門書] 伊勢田哲治著『疑似科学と科学の哲学』(名古屋大学出版会、2003年)[7回の内容] 大塚淳著『統計学を哲学する』(名古屋大学出版会、2020)[8回の内容] デヴィッド・アルバート著『量子力学の基本原理』(日本評論社、1997)[13回の内容の入門書] 白井仁人ほか著『量子という謎』(勁草書房、2012)[13回の内容の説明] 内井惣七著『進化論と倫理』(世界思想社、1996)[14回の内容]
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成績評価方法 |
学期末レポート(50%)、授業内リアクションペーパー(50%) ●学期末レポートとリアクションペーパーでは、結論自体ではなく結論に至るまでの過程に注目し、次の項目で評価する。 (1)授業内容を正しく理解しているか。 (幅広い教養としての知識・理解) (2)どこかで見たことのある議論でないか。(能動的学習姿勢) (3)授業内で与えた情報を有効に活用し議論を組み立てているか。(情報活用能力・総合的問題思考力) (4)具体例を効果的に利用するなど、わかりやすく説明するよう努めているか。
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質問受付方法 (オフィスアワー等) |
授業外の時間に質問がある場合は、メールで受け付けます。 (メールアドレス:kahigashi@tmu.ac.jp) |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
高度な予備知識は必要としません。また、この授業の内容は、昨年度の全学共通科目「科学哲学」と部分的に重複しますが、そこでの学習内容についてディスカッションして理解を深めたい学生の受講も歓迎します。また、他専攻の学生の受講も大いに歓迎します。 |
備考 |
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