Syllabus
シラバス照会

<< 最終更新日:2024年03月21日 >>
基本情報
科目種別 授業番号 F371
学期 前期 曜日
科目 歴史学概論 時限 2限
担当教員 前田 弘毅 単位数 2
科目ナンバリング
※2018年度以降入学生対象
JHB-201-1:人文社会学部専門教育科目

担当教員一覧

教員 所属
前田 弘毅 人文学科

詳細情報
授業方針・テーマ 〔重要:この科目は、2018年度以降入学者は「歴史学概論<102>」、2017年度以前入学者は「歴史学概論」を履修登録すること。〕

 歴史とは何か、人類の経験した時間を考えることはどのような営みか。本講義では歴史学の基本を紹介し、出来る限り受講者に思考してもらうよう工夫して授業を進めていく。
 18,19世紀は科学における「法則」の時代であったが、20世紀は「仮説」の時代ともいう。21世紀は「神話の時代」になるだろうか。YouTube全盛の昨今、人類はついに「永遠なる時間」を手に入れたようにも見えるが、むしろ「真の歴史」は遠ざかっている。客観的な歴史記述は可能か。知らない世界をどのように旅をすれば良いのか。近代学問の基本に戻りながら、時間を探求する科学としての歴史学とその歴史的展開について解説を加えていく。
 史学科(歴史学・考古学教室)以外でも、「時間を科学的に思考する」に関心をもつすべての学生の受講を歓迎する。ただし、基本的には「文献」に対する眼差し(文献史学/史料批判)が中心命題となる点を考慮すること。
習得できる知識・能力や授業の
目的・到達目標
歴史の時間を考えることの検討を通じて、歴史学という学問の性格が理解できる。
歴史学という学問の歴史と展開の理解を通して、関連分野への知識および洞察力も増す。
授業計画・内容
授業方法
講義では斉藤孝『歴史と歴史学』をもとに近代歴史学の成立から20世紀を通じたその展開について解説を加える。その上で、歴史学の今日的な課題について、参考文献も紹介しながら検討する。また、新版『歴史とは何か』『歴史学概論』『なぜ歴史を学ぶのか』等の内容を紹介した上、歴史学そのものへの感性と知性を涵養すべく、復習と発展を兼ねた討論を行う。歴史学の理論・経験則・柔らかな手法など、様々な歴史学アプローチを紹介して、歴史学に取り組む姿勢についてともに考えていきたい。なお、テキストは1975年に記されたが、その当時の知識人の知を識り学ぶこともこの授業の大きな目標の一つである。

第1回 ガイダンス 歴史学~時間を考える「科学」か、錯覚か
第2回 環境破壊、エネルギー問題、安全保障といった地球体系の危機の中で歴史を考えることの意味 
第3回 「歴史とは、現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話なのであります。」
第4回 「序章 歴史の意味と歴史学」を読む①歴史の意味
第5回 「序章 歴史の意味と歴史学」を読む②歴史学の意味
第6回 「第1章 歴史学と史料」を読む①痕跡としての史料
第7回 「第1章 歴史学と史料」を読む②史料の批判
第8回 「第2章 歴史認識の特質」を読む①歴史認識の根拠としての現在
第9回 「第2章 歴史認識の特質」を読む②現在と未来
第10回 「第3章 世界史の構成と発展段階」を読む①「世界史」の課題
第11回 「第3章 世界史の構成と発展段階」を読む②世界史の地域的特殊性
第12回 「第4章 現代史の方法」を読む①現代史の特質
第13回 「第4章 現代史の方法」を読む②現代史の叙述
第14回 総合討論
第15回 まとめと到達度の確認
授業外学習 講読テキストの事前講読および復習により歴史学における理解力を高める。関連事項に関する図書の講読等につとめる。
テキスト・参考書等 【テキスト】斉藤孝『歴史と歴史学』(東京大学出版会、1975年)
参考書・参考資料等
E・H・カー『歴史とは何か』(岩波書店、2022年)
遅塚忠躬『史学概論』(東京大学出版会、2010年)
リン・ハント『なぜ歴史を学ぶのか』(岩波書店、2019年)
その他授業中に適宜紹介する。
成績評価方法 授業への参加態度、講読や報告などの貢献(評価の50%)。レジュメ作成や書評などの小レポートの提出(評価の50%)。
質問受付方法
(オフィスアワー等)
質問等がある場合はメールで受け付けます。メールアドレスについては初回授業時に伝えます。
特記事項
(他の授業科目との関連性)
備考