授業方針・テーマ |
フランスの音楽文化は、中世から現代に至るまでヨーロッパ文化圏において常に重要な役割を果たしてきた。ここでは、フランス音楽史のなかで主要なレパートリーと作曲家を取り上げ、各時代の歴史的・政治的・社会的な背景とともに、音楽事象の流れと音楽作品の特徴を概観する。前期の授業では古代〜19世紀までのフランス音楽史を概観し、講義と音楽の鑑賞、ディスカッションを通して理解を深めます。【フランス音楽史全体の流れを通年で辿りますので、後期開講科目「フランス語圏文化史(F4208)/フランス語圏文化史B(F718))」と併せて受講することを推奨します。】 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
フランス音楽に関する知識の習得と、フランス文化のなかで音楽がどのような位置を占めながら発展して いったのか、キリスト教社会と音楽、文学・絵画など諸芸術と音楽の照応等の視点を含めて文化史的な理解を深め、フランス音楽史全体を概観できるようにする。その際に、フランスの文化と音楽がヨーロッパ文化圏の諸国やそれ以外の文化圏の影響を受けながら発展していった点にも着目し、フランス音楽を多面的なコンテクストから捉えられるようにする。 |
授業計画・内容 授業方法 |
第1回: ガイダンス/フランス音楽前史(古代ギリシア〜ローマ) 第2〜3回: 初期キリスト教〜中世の音楽(〜14世紀) 第4〜5回: ルネサンスの音楽(15〜16世紀前半) 第6〜8回: フランス・バロックの宮廷文化の音楽(16世紀後半〜18世紀前半) 第9〜11回: フランス古典派の音楽とフランス革命の影響(18世紀半ば〜後半) 第12〜14回: ロマン主義の音楽とパリの音楽文化の興隆(19世紀オペラ)
一つのテーマを2〜3回に分けて授業を進め、歴史を概観した講義を踏まえてじっくり音楽を試聴したり、配布した資料やテクストを基にしてディスカッションを行います。 |
授業外学習 |
【授業】受講者は配布資料・テクストをよく読み、自分なりの考えや視点をまとめてきてください。
【レポート】学期末のレポート提出のために、授業を受けながら各自テーマを選び、関連する文献を探して読み進めていくこと。レポートは必ずしも音楽的なアプローチの必要はなく、文学、美術、歴史、社会、教育などさまざまな角度からフランス音楽を考察し、各自の専門や関心に沿ってテーマを決めることができます。 |
テキスト・参考書等 |
授業内で適宜指示・配布。
【参考図書】 N.デュフルク『フランス音楽史』遠山他訳、白水社、1972年 今谷和徳; 井上さつき『フランス音楽史』、春秋社、2010年 U.ミヒェルス編『図解音楽事典』角倉一朗監修、白水社、1989年 田村和紀夫;鳴海史生『音楽史 17の視座』、音楽之友社、1998年 アデライード・ド・プラース『革命下のパリに音楽は流れる』長谷川博史訳、春秋社、2002年 フランソワ・ポルシル『ベル・エポックの音楽家たち セザール・フランクから映画の音楽まで』安川智子訳、水声社、2016年 |
成績評価方法 |
出席・ディスカッションの参加度 (30%)、期末レポート内容 (70%)で決めます。 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
質問や相談は授業の前後か、kibacoで問い合わせてください。 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
音楽の知識は必要ありませんが、音楽について考えること、音楽を聴くことに関心を持っていること(フランス語学習者でなくても受講できます)。視聴覚資料を用いるので、私語は厳禁にします。
|
備考 |
|