Syllabus
シラバス照会

<< 最終更新日:2024年03月21日 >>
基本情報
科目種別 授業番号 F712
学期 後期 曜日
科目 フランス語圏文学論 時限 4限
担当教員 大須賀 沙織 単位数 2
科目ナンバリング
※2018年度以降入学生対象
JHH-202-1:人文社会学部専門教育科目

担当教員一覧

教員 所属
大須賀 沙織 人文学科

詳細情報
授業方針・テーマ 【マリア出現と文学】
19世紀フランスでは、「マリア出現」と言われる現象が相次いで起こり、そのうち1846年にアルプス山中のラ・サレットで起きた「泣く女」の出現とメッセージは、19世紀末から20世紀の文学者や知識人にとりわけ大きな影響を与えました。村の少女メラニーと少年マクシマンにどのようなメッセージが伝えられ、ラ・サレットが一大巡礼地となっていったのか。文学者のレオン・ブロワ、ユイスマンス、ポール・クローデル、哲学者ジャック・マリタンと妻ライサ、宗教学者ルイ・マシニョンは、それぞれどのような状況でこの出来事をとらえ、ラ・サレット巡礼を果たし、その体験を語ったか。テクストの抜粋を読みながら、個々の神秘体験、語り、象徴的解釈のありようを解読していきます。
習得できる知識・能力や授業の
目的・到達目標
・19~20世紀文学の一潮流に関する知識を得ること。
・各作家の特徴をとらえられるようになること。
・一つの作品やテーマに関して、自らの視点で論じられるようになること。
授業計画・内容
授業方法
第1回 オリエンテーション:フランスにおける聖母出現
第2回 ラ・サレットの聖母出現―1846年の出来事、メッセージ
第3回 幻視者メラニー・カルヴァ(1):生涯、自伝
第4回 預言者メラニー・カルヴァ(2):メッセージ、語り
第5回 レオン・ブロワ(1):ラ・サレットの伝道者―『泣く女(ひと)』
第6回 レオン・ブロワ(2):巡礼―『貧しき女』
第7回 レオン・ブロワ(3):同時代への警告―『出現の象徴性』
第8回 ユイスマンス(1):悲しみの聖母―『大聖堂』
第9回 ユイスマンス(2):巡礼と回心―『あの高みに、あるいはラ・サレットの聖母』
第10回 ポール・クローデル(1):娘との巡礼―『黙示録のステンドグラスの中で』
第11回 ポール・クローデル(2):象徴的解釈―『ラ・サレットの象徴性』
第12回 ルイ・マシニョン:巡礼と回心―『クローデル-マシニョン往復書簡』
第13回 ライサ・マリタン:巡礼の回想―『大いなる友情』
第14回 ジャック・マリタン:ローマ教皇庁への働きかけと挫折―『メモ帖』
第15回 総括と補足

【授業方法】
講義形式で、テクスト読解・解説を挟みながら授業を進めます。
授業外学習 ・配布するテクストの抜粋(できるだけ和訳をつけます)を読んでみること。
・期末レポートのテーマと構想を考えていくこと。
テキスト・参考書等 【テキスト】
 プリントを配布します。

【参考書】
・レオン・ブロワ『貧しき女』、水波純子訳、中央出版社、1982.
・ユイスマンス『大伽藍』、出口裕弘訳、平凡社ライブラリー、1995
・ライサ・マリタン『あるカトリック女性思想家の回想録―大いなる友情』、水波純子訳、講談社学術文庫、2000.
・シルヴィ・バルネイ『マリアの出現』、近藤真理訳、せりか書房、1996.
・関一敏『聖母の出現―近代フォーク・カトリシズム考』、日本エディタースクール、1993.
・高橋たか子『巡礼地に立つ―フランスにて』、女子パウロ会、2004.
・山形孝夫『聖母マリア崇拝の謎―「見えない宗教」の人類学』、河出書房新社、2010.
 その他の文献は各回の授業で紹介します。
成績評価方法 レポート:70 %(授業で扱った作品、または関連作品を読み、自由にテーマを設定して論じてください。字数は2000~4000字程度。)
平常点:30 %(出席状況とコメント)
質問受付方法
(オフィスアワー等)
質問は授業中および前後、またメールで随時受け付けます。
osuga★tmu.ac.jp
特記事項
(他の授業科目との関連性)
初級フランス語の既習者を対象とします。
備考