授業方針・テーマ |
本講義は、無機化学のもっとも基礎となる原子、分子、金属、イオン性固体の概念を習得するものである。具体的な手段としては、簡単な量子力学的考察から導いた原子軌道を手掛かりとし、これらに電子を配置させることによって、上述した様々な形状の物質へと変換されることを理解する。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
物質の諸性質、例えば電気伝導性、磁性、光学的性質等は、その物質中に含まれている電子の振る舞いとして理解できることが多い。本講義では、原子を量子力学的に取り扱う必要性を紹介した後、その結果として得られる電子の挙動を理解する。次に、原子の諸性質、例えばイオン化エネルギー、電子親和力、イオン半径等を、電子がもたらす性質として解釈する。最後に、電子の最もダイナミックな振る舞いの一つである化学結合に着目し、分子や金属がどのようにして出来上がるのかを理解する。 |
授業計画・内容 授業方法 |
授業計画 【第1回目】宇宙と原子の誕生、原子の構造 【第2回目】量子力学とシュレーディンガーの方程式 【第3回目】原子の中の電子の振る舞い 【第4回目】原子軌道、s・p・d軌道 【第5回目】一電子原子の電子状態 【第6回目】多電子原子の電子状態 【第7回目】原子の中での電子配置と周期表 【第8回目】イオン化ポテンシャルと電子親和力 【第9回目】物質の進化と化学結合 【第10回目】共有結合の基礎 【第11回目】二原子分子(窒素、酸素、フッ素分子) 【第12回目】三原子以上の原子から構成される分子(メタン、エタン、エチレン、アセチレン) 【第13回目】三原子以上の原子から構成されるより複雑な分子(アクリロニトリル、アセトニトリル) 【第14回目】総復習と教科書の中の問題の演習 【第15回目】まとめ |
授業外学習 |
講義内容の復習を兼ねて、教科書の演習問題を解くこと。 |
テキスト・参考書等 |
テキスト:「ハウスクロフト・無機化学(上)」、ハウスクロフト著、巽訳、東京化学同人刊 *無機化学系の四つの講義(無機化学総論、無機化学各論I、II、錯体化学)で、ハウスクロフト著の無機化学(上)、(下)を扱う。 *以前に教科書に用いていた「基本無機化学」、荻野博・飛田博実・岡崎雅明著、東京化学同人、および「基礎無機化学」、コットン・ウイルキンソン・ガウス著、培風館であっても、学習、単位取得に不利になることはない。 |
成績評価方法 |
期末試験の成績のみで評価する。 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
随時。 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
本講義は、無機化学の最も基礎となる知識を教授するものである。予習と復習を含め、真摯な態度で受講すること。特に、二年生以上の学年で開講される「無機化学各論-I」、「無機化学各論-II」、「錯体化学」の重要な基礎となる。
・オフィスアワー オフィスアワーは特に設定しないが、直接質問したい場合は随時受付るので、事前にメールで教官の在室を確認すること。メールでの質問の受付/回答はしない。 |
備考 |
|