Syllabus
シラバス照会

<< 最終更新日:2025年03月28日 >>
基本情報
科目種別 授業番号 O0961
学期 前期 曜日
科目 犯罪心理学特論研究演習(司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開) 時限 1限
担当教員 越智 啓太 単位数 2
科目ナンバリング
※2018年度以降入学生対象

担当教員一覧

教員 所属
越智 啓太 人間社会学科

詳細情報
授業方針・テーマ 司法・犯罪心理学は、人間の犯罪行動を対象とする心理学の一分野である。この授業では、司法・犯罪心理学の全体像について、犯罪者行動、捜査、矯正、防犯、司法の5つの側面から検討していく。基本的な知識習得だけでなく犯罪に関する報道や情報に関して分析的、批判的に情報を解釈できるようにする。
 さらに、実際の犯罪に遭遇した場合に、警察や裁判所、矯正施設が具体的になにを考え、どのように行動するのかについて法律的なたてまえにとどまらず、実務家、とくに心理職(警察少年専門職、矯正技官、保護観察官、家庭裁判所調査官)としての立場から解説する。おもに公認心理師として携わる可能性のある非行少年のケースについて2回にわたって詳細に解説する。また、司法心理学の課題として、具体的な共同親権のテーマについての問題解決する課題をだして、ここでも法律的な建前を超えた現実のケースでなにが問題になるのかを実習してもらう。講義中心であるが、心理職の実務についての質問については経験もふまえ、きめ細やかに対応していく。
習得できる知識・能力や授業の
目的・到達目標
授業の目標・到達目標
1)司法・犯罪心理学の分野や方法論について説明できるようになる。
2)さまざまな犯罪について罪種ごとに心理学的観点からその概要を説明できるようになる。
3)司法・犯罪心理学についての基本的な用語を理解し、説明できるようになる。
4)犯罪や司法に関するさまざまな情報を批判的に吟味し、その心理的支援(防犯、矯正など)についてエビデンスに基づいて考え、議論できるようになる。
授業計画・内容
授業方法
第1回 オリエンテーション・犯罪心理学の概要、方法論
第2回 殺人 殺人事件のパターンと犯人の行動、捜査への心理学的支援
第3回 連続殺人(1) 男性による連続殺人1
第4回 連続殺人(2) 男性による連続殺人2
第5回 連続殺人(3) 女性による連続殺人1
第6回 連続殺人(4) 女性による連続殺人2
第7回 大量殺人 大量殺人犯人の行動パターン
第8回 子どもに対する性犯罪(1) 犯人の行動と特徴
第9回 子どもに対する性犯罪(2) 防犯と矯正のための心理学的支援
第10回 ストーキング ストーカーの行動パターン
第11回 ドメスティックバイオレンス(1)DVの概要と加害者の心理
第12回 ドメスティックバイオレンス(2)DV被害者の心理
第13回 非行(1) 少年非行の理論1原因論
第14回 非行(2) 少年非行の理論2少年の更生に向けてのシステムと心理学的支援
第15回 司法心理 離婚、養育権、面会交流と心理学的支援
基本的には講義方式で行うが、毎回受講生のコメントをあつめ、それに回答するなどしてインタラクションをはかる。そのために後半のスケジュールは少し駆け足になる可能性がある。受講者の要望や社会情勢によって、取り上げる罪種を若干変更する可能性がある。
受講前には、基本テキストである「progress and application 司法犯罪心理学」「ケースで学ぶ犯罪心理学」の該当の章に目を通しておくこと。


授業外学習  授業内容についての資料をアップするので、該当部分について予習として視聴しておくこと。該当する部分について、テキストの<予習問題>に解答してくること。
テキスト・参考書等 テキスト
越智啓太「progress and application 司法犯罪心理学」(サイエンス社)
越智啓太「ケースで学ぶ犯罪心理学」(北大路書房)
参考書
越智啓太「ワードマップ犯罪捜査の心理学」(新曜社)
越智啓太「図解 犯罪心理学」(日本文芸社)

ほかに司法心理学分野に関して「ギフテッド」という映画(ストリーミングサービス等で簡単に視聴化)を見て、考察する課題を出します。
成績評価方法 レポート(95%)出席コメント(5%)
レポートは授業開始時に課題を公開する。書式は自由。レイアウトも採点対象とする。
質問受付方法
(オフィスアワー等)
毎回、授業終了後、おおよそ30分間、授業に関連した質問や相談にのる。またまとまった時間が必要な場合は、時間を調整してアポイントメントを取ったうえで、質問に回答する。
特記事項
(他の授業科目との関連性)
この授業では犯罪といった不快な現象について扱うので受講に当たっては注意してください。心理学以外の専攻の方も受講できますが、成績などにおいて特別な配慮はしません。ただし、心理学についての予備知識は最低限しか必要としません。心理学関係の公務員(法務省、家裁、警察など)志望者や法曹、警察官、公安関係の公務員志望者などを歓迎します。質問は授業後に受け付けます。
また、以下の受講の注意を厳守すること。
1)授業やパワーポイントを写真撮影したり、授業を録音することは原則禁止します(障害のある方や、外国人でヒアリングに問題がある方は事前に相談してください)
2)授業内容についてSNSなどにアップしないこと。

備考