授業方針・テーマ |
我々は日々の生活の中で、多種多様な情報を見聞きし、言葉や行動によって情報を発信している。このような能力の基盤である脳の機能について学び、認知神経科学の基本的な考え方を構築する。母語の獲得と英語等の第二言語の習得に関わる脳機能という観点では、後期で学習や記憶の基礎となる脳の可塑性、言語と発達について重点的に学ぶ。授業では、英語の文献を多数扱う。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
学術用語を正確に理解し、使用する能力。特に英語で学術用語を扱うことを重視する。脳の構造と機能に関する基礎知識を習得し、その知識をもとに日常生活の事象について疑問を持って問題を設定する能力。認知神経科学の考え方をもとに現象を分析し、その結果を日本語と英語の文章にまとめる能力。自分の意見を発表する能力。母語の獲得と英語等の第二言語習得を含めたヒトの言語機能について、脳科学の知見をもとに検討して応用することができるようになることを目標とする。認知神経科学で扱う内容を題材にして、英語の文章を図や表と対照して、総合的に理解を深める力を養う。また、英語の長文を読んで科学的な知識を身につける力と内容を正確に伝える力を高める。複数の英語の文献を調べて、まとめた内容を発表する力をつける。 |
授業計画・内容 授業方法 |
第1回: 前期の復習、脳と神経系
第2回: 体性感覚(1)皮膚における機械受容器
第3回: 体性感覚(2)皮膚から脳へ、脳における身体のマップ 第4回: 発生と脳の可塑性―脳の形成とシナプス可塑性
第5回: 学習と記憶(1)学習の分類 第6回: 学習と記憶(2)記憶の形成 第7回: 学習と記憶(3)学習と記憶に伴う脳の変化
第8回: 後期中間試験及び試験内容の解説 第9回: 海馬―エピソード記憶
第10回: 大脳基底核―報酬と意思決定
第11回: 小脳―運動学習と認知機能 第12回: 神経ネットワーク―視覚・小脳・大脳基底核 第13回: 大脳前頭葉―思考、メンタルモデル、心の理論 第14回: 大脳側頭葉―意味記憶、言語 第15回: 後期のまとめ
講義だけでなく、グループワークやディスカッションを随時行う。 |
授業外学習 |
課題に取り組むとともに、必ず復習をしてノートにまとめること。 |
テキスト・参考書等 |
参考書: Ward J(2010) The Student’s Guide to Cognitive Neuroscience, Second edition (Psychology Press) Gazzaniga MS他 (2009) Cognitive Neuroscience – The Biology of the Mind, 3rd Edition (Norton) 村上郁也編 (2010) イラストレクチャー 認知神経科学(オーム社)
英語で書かれた文献を随時紹介する。
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成績評価方法 |
中間テスト(40%)と期末テスト(60%)。ただし、状況によってはレポートにする可能性もある。 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
毎回、授業の終了後に可能な範囲で質問を受け付ける。それ以外は、メールで連絡すること。メールアドレスは開講時に指定する。
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特記事項 (他の授業科目との関連性) |
【認知神経科学基礎論特論第一】の前期を履修していることを前提とする。【言語認知脳科学特論】を履修する予定の学生は、必ずこの授業を履修すること。
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備考 |
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