Syllabus
シラバス照会

<< 最終更新日:2024年04月03日 >>
基本情報
科目種別 システムデザイン専攻共通科目 授業番号 T0014
学期 前期 曜日
科目 システムデザイン特論Ⅴ 時限 5限
担当教員 矢島 進二 単位数 2
科目ナンバリング
※2018年度以降入学生対象

担当教員一覧

教員 所属
矢島 進二 システムデザイン学部
青木 史郎 システムデザイン学部

詳細情報
授業方針・テーマ デザインは、「かたちを使って考える」思考であり、「かたちを用いて伝える」知恵です。従ってそれは専門特化した知識や技能ではなく、誰もが日常的に活用している思考や知恵、人類普遍の知のスタイルと理解するべきでしょう。
この授業では、デザインの知との出会いから、デザインが産業化社会を先導した役割を辿り、さらには今日的課題を解決しようとする試みなどを取り上げます。過去から未来に至るデザインの事例を、受講生諸君と討論しながら、人類がデザインという知を如何に進化させてきたかを、また21世紀の社会をより豊かに築いていくために、デザインにどの様な役割が果たせるかを紐解いていきます。
習得できる知識・能力や授業の
目的・到達目標
この授業では、産業社会を担ってきたデザイン(20世紀型のデザイン)の成立と限界を考察することで、デザインという思考・方法論についての基本的理解を得ることを目的としています。
授業は具体的な事例を考察することを中心に進めますが、ここで提供できるのは、専門的な知識や方法論ではありません。「柔軟なものの見方・考え方」、端的にいえば、「その手があったか」といったある種の気づきです。デザインは、特別なものではなく誰しもが日々活用している「人類普遍の知」です。この日々の生活を支える思考に気づき、院生諸君が取り組んでいる研究にいかしてくれることを期待しています。
授業計画・内容
授業方法
1)デザインの知の発達 産業社会とデザイン(6回程度)
新し時代を切り開こうとする時、そこに従来とは異なる思考・方法論、つまり新しいデザインが登場します。産業社会は、「かたちを操作する」という新しデザイン概念を生みだしました。このデザインの力を活用して、人々の欲望を極限まで増大させることによって、社会を推進することに成功しました。産業社会を創りあげていったデザインの事例を素材にして、デザインという思考・知恵がどのように発達し、如何なる役割や効用を果たしてきたかを探ります。
・デザインとの出会い
・産業社会とデザイン
・日本の産業へのデザインの導入
・ものづくりとデザイン
・日本型デザインの誕生

2)デザインの今日 (2時限連続x2回)
デザインという思考・方法論を理解するためには、ものやサービスに直接触れて体験することがなによりです。そこで、デザインの展示会を見学したり、そのデザインの当事者の話しを聞いたりしたりする機会をつくります。
*この授業は「東京ミッドタウン・デザインハブ(六本木)」などでおこないます。授業は遠方で行われるため、任意参加とします。

3)次世代を築くデザイン (5回程度)
産業社会はデザインを活用することによって、大きな発展を遂げましたが、その一方で矛盾に満ちた課題問題を山積させました。
こうした産業社会の「負の部分」に取り組みながら、サステナブルな社会を実現してくには、産業社会とは質の異なるデザインが求められます。またインフォメーション、コミュニケーション、テクノロジーの驚異的な進展は、人類に未曾有の可能性を提供するかもしれません、
そうした現代の試みを紹介しながら、受講生諸君との討論を通じてその可能性を展望していきます。
・エクスペリエンスデザイン
・サステナブルデザイン
・ITC技術の進展とデザインの課題
・デザインのプラットフォーム
・未曾有の災害を乗り換えるデザイン思考
授業外学習 授業外学習については授業内でその都度指示をする。
テキスト・参考書等 ・青木史郎「インダストリアルデザイン講義」東京大学出版会
 工学部の授業を集大成したもの。デザインについての基礎的な思想と方法論を、豊富な事例を通して紹介しています。
・ドナルド・ノーマン「誰のためのデザイン 認知科学者のデザイン原論」野島久雄訳 新曜社 
 人間と機械・システムの関係はどの様にあったらよいか。ヒューマンセンタードデザインの入門書です。
・トム・ケリー「発想する会社 THE ART OF INNOVATION」早川書房
 デザインシンキングを体系づけてビジネスの成功者となったIDEOを紹介。今日的なデザインの方法論の入門書です。
・「なぜデザインが必要なのか?」英知出版
 「残りの90%」の人々に眼をむけることで、社会を地球を健全にするデザインができる。そうした事例を世界中から集め解説。
成績評価方法 レポート型式で評価します。
レポートの課題および提出期限については、最終授業終了前に提示します。
質問受付方法
(オフィスアワー等)
質問は授業内で随時受け付けます。
特記事項
(他の授業科目との関連性)
授業内容2)の部分は、見学等が不可欠であるため、勤務先である日本デザイン振興会の展示・セミナー施設でおこないます。
場所は、東京ミッドタウン・タワー棟5階・デザインハブ。都心への移動を考慮して、授業時間をずらして開催します。
備考