授業方針・テーマ |
情報ネットワークの規模拡大やアプリケーションの多様化,社会との結びつきの密接化によって,従来用いられてきた伝統的な確率モデルや最適化モデルで対処可能な範囲を超えた,新しい技術課題が問題になってきた.この授業では,大規模複雑システムの典型例である自然界の仕組みに学び,自然界に秩序が生まれる仕組みを工学的なシステム設計・制御に応用する観点から,情報ネットワーク設計・制御技術の現代的な理解を図る. |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
情報ネットワークは大規模複雑システムの典型例であり,現時点のシステムの状態情報を完全に把握しながら運用することが出来ない.これまで,一般に,システムの状態情報を詳しく知ることが,より適切なシステムの制御や最適な性能の実現に結びつくと考える傾向にあったが,情報ネットワークでは広範囲の状態情報の詳細を知ることが原理的に出来ないシステムである.このようなシステムの設計・制御に求められる考え方を理解し,その応用方法を身につけることを目的とする. |
授業計画・内容 授業方法 |
授業方法:1週目に学習の方法を解説し,2週目以降は,テキストに沿って授業を進める.
第1週 オリエンテーション.全体説明および講義の目的について説明する. 第2回:大規模複雑システムとしての情報ネットワーク 第3回:近接作用の考え方からみた自律分散制御 第4回:くりこみ群の考え方からみた階層構造 第5回:偏微分方程式に基づく自律分散制御 第6回:拡散型フロー制御技術 第7回:カオスの性質 第8回:カオスを利用した階層制御のコンセプト 第9回:TCPグローバル同期問題とRED 第10回:緩和振動子の結合振動とカオス 第11回:情報システムとユーザの相互作用 第12回:準静的アプローチ 第13回:ユーザの時間分解能のくりこみ群と準静的アプローチ 第14回:ランジュバン方程式とフォッカー・プランク方程式 第15回:再試行を含む入力トラヒック量の時間発展方程式
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授業外学習 |
毎回の授業前に教科書の授業範囲を精読しておくこと. |
テキスト・参考書等 |
テキストを用いて授業をすすめる.第2週目までに入手すること. テキスト:「情報ネットワークの分散制御と階層構造」情報ネットワーク科学シリーズ第三巻,会田 雅樹 (著),コロナ社 |
成績評価方法 |
期末試験またはレポート〔70%〕,授業中に課す課題への取り組みなど〔30%〕 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
質問・連絡等がある場合は,メールアドレスを学域HPで確認してメールを送ってください. |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
授業はテキストに沿って進めるので,2回目の授業までにテキストを入手すること. 質問・連絡等がある場合は,メールアドレスを学域HPで確認してメールを送ってください.
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備考 |
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