Syllabus
シラバス照会

<< 最終更新日:2024年03月13日 >>
基本情報
科目種別 教養 / 科学・技術・産業 授業番号 X0052
学期 前期 曜日
科目 科学哲学 時限 3限
担当教員 岡本賢吾 単位数 2
科目ナンバリング
※2018年度以降入学生対象
GBD-101-1:全学共通科目

担当教員一覧

教員 所属
岡本賢吾 人文学科

詳細情報
授業方針・テーマ  私たちは、生活のあらゆる局面で、科学理論が生み出した事象や出来事に取り巻かれ、それらと関わり合って生きている。現代の食糧生産は科学理論と技術の利用なしにはありえないし、ウェブなどの情報環境や医療システム(医師、薬品、機関など)、貨幣や商品の流通システムの構築・維持・向上も、科学の適用なしにはまったく成り立たない。
 だが、私たちの多くは科学の様々な分野の理論をほとんど知らないし、知っているとしてもごく限られた範囲である。そもそも科学理論を形作る基本概念とはどのようなものなのか。なぜそれらは自然構造の解明を行う力を持ち、十分信頼できる知識や情報を私たちに与えることができるのか(もちろん、環境問題などの負の側面にきちんと目を向けることも忘れてはならない)。本講義では、近年急速な進展を遂げている科学哲学、情報の哲学、論理科学の成果を参照しながら、こうした問題を初歩から判りやすく考察する。
習得できる知識・能力や授業の
目的・到達目標
(1)論理的思考力: 科学哲学、情報の哲学を中心とする現代哲学について、その最も基本的な諸概念や諸原理に関する俯瞰的な理解を得ることができる。さらに、現代論理学(記号論理学、数理論理学)の初歩にも触れることができる。
(2)綜合的思考能力: より一般的に、情報科学・認知科学などの現代的諸科学について、それらが哲学・論理学の関心の側から見たときにどのような重要な意義と興味を含むかが理解できるようになる。
(3)倫理的判断力: 近年ますます重要性を増している、情報と科学技術をめぐる倫理的諸問題についても、基礎的な理解と判断力を身に着けることができる。
授業計画・内容
授業方法
授業計画。内容
出席者の関心に対応して話題の取捨選択や付加を行う場合があることに留意。
第1回:導入。科学の基礎を成す概念の論理的・哲学的分析、という問題。
第2回:分析の方法1・現代論理
第3回:分析の方法2・自然言語分析
第4回:分析の方法3・情報フロー理論
第5回:分析の方法4・行為の哲学
第6回:分析の方法5・計算の哲学
第7回:分析の方法6・対話の論理
第8回:分析の方法7・情報の哲学
第9回:まとめと回顧
第10回:事例分析1・認知科学的な問題
第11回:事例分析2・非認知科学的アプローチ
第12回:事例分析3・計算機科学的な問題
第13回:事例分析4・数学基礎論的アプローチ
第14回:事例分析5・確率論的な問題
第15回:今後のための展望

授業方法
各回、教員が解説を行った上で、参加者と内容について討議する。また、適宜、練習課題を課す。
特に、学期末のレポートについては、事前に受講者にドラフトを提出してもらい、教員が授業の場でこれらについて論評を加え、改善のアドバイスを行う。これは、講義の理解を深め、論理的な作文力を身に着ける役にも立つので、ぜひ積極的に取り組むこと。
授業外学習 kibacoなどに適宜、教材や資料をuploadするので、各自これを利用して、事前学習を行い、また授業後も理解を深めるのに役立てること。
テキスト・参考書等 テキストはなし。教材や資料を適宜配布する(kibacoにもulする)。参考文献も授業で紹介する。
成績評価方法 授業への貢献と、学期末のレポートで採点する。具体的には、上記「取得できる知識・能力・・・」の欄で述べた(1)-(3)の各項目の達成度に即して評価を行う。
質問受付方法
(オフィスアワー等)
オフィスアワーは授業の場で指定するが、下記アカウントにメールでアポイントを申し出れば、随時対応する。
 岡本賢吾: fregewittgenstein●gmail.com (●は@)
特記事項
(他の授業科目との関連性)
 特別な予備知識は仮定しないので、興味のある学生に自由に積極的に参加してもらいたいが、実際の内容は、論理学・数学基礎論・確率論などの基本的事項をかなり駆使することになり、またもう一方で、古代から現代までの哲学に登場する多様な概念や論証に馴染むことを必要とするので、各自、自習などを通じ理解と知識を補う必要がある。やり方がわからない学生は、適宜、質問・相談に来てほしい。
備考